細胞内には、その恒常性を維持するための巧妙な仕組みが備わっています。本研究室では、細胞が有するタンパク質品質管理システムと金属イオン濃度恒常性維持機構の生理的機能と作用機序を、構造生物学・生化学・プロテオミクス・細胞生物学的手法を駆使し、解明することを目指しています。特に最近、ヒト細胞の小胞体におけるシステインの酸化還元を介したネットワークとカルシウムイオンや亜鉛イオン濃度を調節する膜トランスポーターに焦点をあてた研究を展開しています。本研究課題を遂行することにより、細胞内で蓄積するミスフォールドタンパク質などが引き起こす種々の病態の分子レベルでの成因解明につながると期待されます。