超臨界状態では水と有機物が均一に混ざり合うなど、通常の圧 力, 温度では為しえない溶媒物性操作が可能となります。この超 臨界流体の特徴を利用すると、通常合成できないユニークなナノ 材料が合成できます。我々の研究では、材料合成プロセス独自設 計により新規ナノ材料を開発し、それらの材料を低温廃熱や再生 可能エネルギーで駆動する革新的物質―エネルギー変換プロセス の触媒材料に展開することを目指して研究を行っています。物質 の組成・構造を始め、ナノ粒子の分散・凝集(ポーラス構造)に 至る複階層構造を精密に制御することでプロセス・デバイス特性 の向上に取り組んでいます。 さらに上記の超臨界流体の物性に着目し、超臨界・亜臨界流体 を反応場として用いた電気化学変換系、具体的には二酸化炭素電 解や水電解に応用し、高温高圧の電気化学系の学理構築にも取り 組んでいます。上記を通じて、持続可能な社会の実現に貢献する ことを目指します。