タンパク質は、20 種類のアミノ酸が一次元的につながった高分子であり、生体中においてさまざまな機能を発揮する究極の機能性分子です。タンパク質が機能を発揮するには、アミノ酸の配列により定められる特定の構造に折り畳まれ、運動を行う必要があります。しかし、あるタンパク質が、どのような運動により機能を発揮するのかはしばしば未解明です。本研究分野では、独自に開発した一分子蛍光観察法を用いることで、タンパク質などの生体分子のダイナミクスを直接観察し、タンパク質機能の解明を目指しています。また、最近は新型コロナウイルスに由来するタンパク質とゲノムRNA を対象とした研究を行っています。ウイルス由来のタンパク質とRNA のダイナミクスと構造を理解し、それらの機能を効果的に阻害する方法を見出すことで、新型コロナウイルス感染症に対抗する新しい創薬の可能性が拓かれると期待されます。