素材の精錬・製造・リサイクルの各種プロセスでは、さまざまな元素から成る固体・液体・気体が互いに高温で反応しながら進行します。その原理を理解し、プロセスの高効率化を実現するには、異相間の化学的、物理的な分離過程を明らかにする必要があります。そのために欠かせないのが、高温での各相や異相間の界面の化学的、物理的性質です。例えば溶融ケイ酸塩や金属融体の熱伝導率、粘性は高温の精錬プロセスで極めて重要な働きをします。これらの物性値はその物質の構造を敏感に反映するため、物性の発現機構を物質の構造との関連から解明しています。このように、材料物性とプロセスは密接に関わるため、『物性研究とプロセス研究の融合』をモットーに研究を進めています。 また、材料の分離プロセスや結晶成長に関わる界面での反応機構を、高温での反応場の直接観察を通じて解明しています。これらを基に実際の素材製造プロセスの高効率化や新規プロセスの開発を目指しています。