生体内および生細胞内では、蛋白質・核酸・糖などの様々な生体分子が相互作用しながら機能しています。それらの生体分子の真の役割を解明するには、他の生体分子との相互作用が保たれた状態、すなわち生きた状態でそれらの挙動・機能を観察することが重要です。当研究室では、有機化学・高分子化学・蛋白質化学等の技術に基づいて新たな機能性分子を設計・合成し、光などを用いた生体分子の可視化技術や機能制御技術を開発します。具体的には、酵素活性や細胞内シグナル伝達などの生体機能を選択的に検出する蛍光プローブや、光照射によって結合の切断や構造変化を引き起こすケージド化合物・フォトクロミック化合物を用いた酵素や受容体の活性制御技術の開発などを行います。これらの機能性分子を蛍光顕微鏡観察と組み合わせることにより、生きた状態における生体分子の機能や疾患機構の本質に迫ります。