電子コンプトン散乱を利用した物質の静的および動的性質の可視化
あらゆる物質は2種類の荷電粒子、すなわち電子と原子核から構成されます。したがって、反応性や機能性など物質の多種多様な性質は、物質内での電子の運動と原子核の運動およびそれら運動の協奏に基づく他ありません。当研究室は、そうした最も基本的な観点に立ち、高速電子線を励起源とするコンプトン散乱を駆使した独自の新しい分光法を開発することにより、物質の静的および動的性質の根源的理解と望みの機能の物質への付与を目指して、以下の三つの課題を中心に研究を進めています。
- 電子コンプトン散乱による電子と原子核の物質内運動のイメージング
- 時間分解電子コンプトン散乱による化学反応の駆動原理の可視化
- 多次元同時計測分光による電子・分子衝突の立体ダイナミクス
研究テーマ
- 反応過渡系の電子および原子核運動のイメージングと化学反応の駆動原理の可視化
- 分子軌道の運動量空間イメージングと分子振動による電子波動関数形状の歪みの研究
- 原子運動量分光による原子核の分子内運動のイメージングと分子内力場の研究
- 運動量空間化学の開拓とその創薬研究への展開
- 多次元同時計測分光による電子・分子衝突の立体ダイナミクス