研究室概要

放射光計測とデータ科学の連携による材料機能可視化への展開

実用機能性材料の多くは、原子(ミクロ)からミリメートル(マクロ)までの空間階層構造を有する不均一・複雑系であり、新材料を設計・開発する際、ミクロとマクロを繋ぐメソスケールでの微細構造と機能の相関を解明することが重要です。放射光を光源とするイメージング・分光技術を駆使することで実用機能性材料の構造・元素・電子状態を多角的に解析することができます。特に、放射光の可干渉性(コヒーレンス)をコヒーレント回折イメージングは、X線領域で未踏であったナノスケールでの構造可視化を実現する次世代の可視化計測法として注目されています。また、近年のデータ科学の発展に伴い、３次元空間に複雑に分布する元素・電子状態の情報から構造－機能相関に関する特徴的な情報を抽出ことも可能になりつつあります。本研究室では、次世代の放射光イメージング・分光法の開拓を基軸とし、データ科学的アプローチを活用することで、実用材料の機能を可視化する共通基盤を構築することを目指します。

研究テーマ

X線スペクトロタイコグラフィによる機能性材料のナノ構造・化学状態イメージング
テンダーＸ線タイコグラフィの基盤技術開発と硫黄化合物の化学状態分析への展開
シングルショットコヒーレント回折イメージング法の開発と動画イメージングへの展開
オペランド結像型顕微XAFS法による電池材料のマルチスケール化学状態イメージング
データ科学的アプローチを活用した位相回復像再生法の開発