当研究室では、化学熱力学と融体物性を融合させた新しい機能性材料のプロセス開発を提唱しています。例えば、窒化物半導体は、青・紫からさらに波長の短い紫外線発光素子として、環境、医療、バイオ、情報分野での応用が期待されていますが、当研究室では、窒化物半導体の素子としての性能を向上させるため、結晶成長に関する物理化学的な知見を蓄積しながら、新たな結晶成長プロセスを創製しています。また、材料プロセスにおける複雑な熱物質移動現象をシミュレーションするため、熱物性値のデータベース化を進めています。電磁浮遊装置と静磁場を組み合わせて、金属融体の静的な浮遊状態を実現し、融体の熱容量、熱伝導率、放射率、密度および表面張力を高精度に計測する超高温熱物性計測システムの開発を行っています。この技術によって、結晶成長、鋳造、溶接など様々な工学分野への応用や最近では金属積層造形(3Dプリンタ)の開発にも貢献することに加えて、未知の高温融体科学を切り拓いています。